「香典」と「お供え」の違いを簡単にわかりやすく説明してみます!
こんにちは。
『葬送人だより』ブログ管理人kandumeでございます。
今日は、お葬式に見る香典やお供えなど仏事について、なんとなくはっきりしないものを記事にしてみたいと思います。
実は、とても親しい友人のお母様がお亡くなりになったとき、どうしても葬儀に参列できなくて、2か月以上も経過してて、「香典」をどうすればいいのか悩んでいました。
「2か月も過ぎてしまったら、それは「香典」とはいいません「お供え」として、お渡しになった方がいいですよ」と僧侶が・・・。
「香典」と「お供え」の違いについて、斎場で親しい僧侶にどんなことなのか、詳しく聞いてみました。
「香典」と「お供え」の違いとは
「香典」について
「香典」とは、不祝儀袋(水引を結んだ袋)と呼ばれるのし袋に現金を包んだものをいいます。
香典は、故人の霊前に供えるもので、線香や花、抹香の代わりです。
香典は、故人に対する供養の気持ちを表わすもので、「通夜」または「告別式」の際に持参します。
つまり、「通夜」「告別式」に持参するのが「香典」となります。
スケジュールが合わず通夜にも葬儀にも参列できない時は、香典を郵送しても構いません。
その際は、現金書留を利用して大丈夫です。
短めな気持ちをメッセージに替えて送るといいですね。
ご遺族の方も寄り添って下さったのだと理解してくれます。
郵送する場合はいつまでに送ればいいの?
香典を郵送する場合には、いつまでに送るといいのでしょうか。
葬儀が終わってから1週間、遅くとも1ヵ月以内には届くように配慮しましょう。
喪主の方の香典返しの準備に間に合うようにという判断からです。
葬儀後1ヵ月以上も経ってから香典を送ると、喪主の方は二度手間になってしまうからです。
喪主の方の手間を省く為にも、なるべく早めに香典は郵送するようにしましょう。
香典を郵送する際に、必ず中袋へも住所と氏名を記入するようにした方がいいです。
喪主の方が一目でわかるようにしておきましょう。
「お供え」について
「お供え」とは、本来は法事などで用いられているものです。
法事に出席するときは、お供え物をどうしたらよいのか迷ってしまうことがありますよね。
迷うどころか、地域の風習などで、まったく分からないことだらけです。
そんなとき、無駄な「お供え」を贈るよりも、御供物料として現金を包むことが多くなっています。
気持ちとしては、法事でお供え物を購入するために使って欲しいとの弔慰金の意味合いですね。
法事・法要といった、通夜や葬儀以外のときに包む金額を「お供え」といっています。
具体的な例を上げてみますね。
友人のお母さんがお亡くなりになって、スケジュール的にどうしても通夜や葬儀に参列できなかったときのことです。
後から「気持ちとして「香典」を包みたい」といったときは、「香典」という表現ではなく「お供え」といった形でお渡しするようになります。
なんとも日本語は複雑ですね。
でも、不祝儀のマナーの基本は身につけること大事です。
不祝儀袋にも意味がある
実際に自分で香典袋に現金を入れる時に、どの不祝儀袋にすればいいのか悩みますよね。
豪華な香典袋を購入して、中に入れる現金が3,000円とかでは、ちょっとつり合いがとれないですよね。
そこで、一般的な常識として袋と金額のバランスを見てみましょう。
印刷された水引がついているタイプであれば5,000円以下の金額になります。
豪華絢爛な香典袋の場合は、30,000円を超えるときでしょうね。
また、中間の30,000円以下の場合は、白黒の水引、もしくは双銀の水引のものを選ぶと良いとされています。
「香典」と「お供え」袋の書き方の違い
仏事の考え方では、お亡くなりになって49日の間は、魂がまだこの世に残っていると考えられています。
そこでこの世に霊が残っているというので「ご霊前」と香典袋には書きます。
そして、49日が過ぎて魂があの世に旅立つことができたということで、49日以降は仏様になったとうことで「御仏前」となります。
このように御理解いただいて間違いではございません。
ところが、物事には例外というのが必ず付きまといます。
浄土真宗の考え方は、故人となられたかたはすぐに仏様になるという考え方ですので、お通夜・葬式のときから「御仏前」となります。
また、このような宗教間の違いによってトラブルようなことはありませんので、問題とはなりませんので安心してください。
kandumeが勤務する火葬場でも、宗教での最後のお参りの方法が違うとかでのトラブルはありません。
火葬場に立ち会う僧侶の方は、すべてを何事もなく無事に送りだすという考え方に徹しています。
そして、余談ですが、この火葬の仕事についてから感じたことで、僧侶の権威は絶大なものがあるということに気づかされました。
それは、葬儀・火葬・収骨・納骨にあたっては、僧侶の指導にすべての人が従うということです。
医者・弁護士と同じように、僧侶は権威があると感じます。
「香典」「お供え」袋へのお金の入れ方
現金を香典袋に包むときに注意すること。
- お札の向きはきれいに揃える
ゴチャゴチャだと失礼ですよね。心をこめて丁寧にということです。 - 外袋の包み方は、下部の折り返しが隠れるように重ねる
上から下へと不浄なものが流されるようにとの意味合いを込めた外袋の折り方です。 - 香典に使うお札には新札を使わない
新札を使用すると故人が亡くなる前から死の予測があったとのイメージがあるためです。
ただし、汚れたお札や古過ぎるしわしわのお札も失礼に当たるので、神経使ってくださいね。
4,000円や9,000円といった死や苦を表す金額は避けた方がいいです。
香典を渡すときは?
香典はふくさに包んで持参します。
間違っても胸のポッケから取り出したりしないようにしてください。
紫色のふくさであれば、弔事にも慶事にもどちらにでも使用できます。
ふくさに包んだ香典袋は、受付でお悔やみの言葉を軽くしてから、香典袋をその場で取り出します。
取り出した香典を両手に持って、切手盆などの上へ置きながら渡すようにします。
受付にふくさ全体を渡してしまっては失礼になりますから注意してくださいね。
まとめ
「香典」と「お供え」の違いは、お通夜や葬儀であれば香典となります。
法要や法事といった仏事では、「お供え」としてお渡しすることになります。
もともと、葬儀や法要といったときは、物入りで喪主の家は大変になってしまいます。
そこで、相互扶助の原理が昔から働いて、「香典」や「お供え」といった形で助け合っていたということです。
因みに現代では、香典を貰った喪家は香典返しをするのが普通ですが、相互扶助の観点から半返しが一般的になっているようです。
ただ、現在の葬儀は費用が掛り過ぎているようにも思えます。
1日2日の葬式で、費用が200万円掛ったとか簡単に葬式もできない時代になってしまいました。
「香典」や「お供え」などで葬式代金をカバーできたという時代は、核家族という流れで崩壊しています。
そこで、小さなお葬式や家族葬といった費用のかからない葬儀に変わりつつあります。
その中には、「香典」「お供え」といったものは、一切受け取らないという流れも見えてきました。
いつの日か、「香典」や「お供え」といった心のやりとりが無くなる日が来るかもしれません(汗)。
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