棺に入れるものは折り紙がおすすめ!入れていけないものは?
故人とのお別れの最後に、棺に思い出の品や故人が大好きだったものを入れてあげたい!
「あの世で故人がさみしくない様に」との気持ちはだれにでも起こります。
ところが、棺の中に想い出をたくさん入れ過ぎてしまって、きれいな状態で収骨が出来ないという、もっと悲しいことになっては大変です。
斎場での仕事をしている者として、毎日のように悲しみの中にいる人との場面ばかりです。
そうした中で、私がはっきりお答えできることは、
「故人が迷いなくあの世の世界にたどり着くことを祈るだけです」
火葬場からきれいになられた故人の骨を収骨しながら、祈っております。
そんな中で、棺に入れるものでお悩みでしたら、おすすめは鶴や睡蓮の折り紙って素敵ですよ。
折り紙の鶴が、故人を「あの世」まで道案内してくれるというのです。
名古屋で起きた『折り鶴』の話など後半記事にしております。
これは新聞にも掲載された実話です。
最初の方は火葬場の係として、一般的に棺に入れて欲しくないものや、これは大丈夫といったものからご説明させていただきます。
棺に入れてもいいものダメなもの
最近は葬儀社で副葬品として、棺に入れるものをいろいろご用意されてます。
いろいろございますが、葬儀の人に聞いた中でなるほどと感じたものを紹介しましょう。
ゴルフが大好きだった人の棺に入れられたのは、木で造られたゴルフ道具。
お酒が大好きだった人の棺に入れられたのは、紙の材質でつくられたお酒セット。
キティちゃんグッズを集めていた人の棺に入れられたのは、キティちゃんのぬいぐるみ(写真)。
マラソン大会やトライアスロンでの入賞メダルを紙製のメダルに。
故人への愛がいっぱいつまった棺になっています。
これは、火葬場の人間がチェックするといったことは一切ありません。
葬儀社の方たちのお仕事になっている部分です。
きっと納棺のときにお話しされていると思います。
火葬場の人間は一切、判断することはできません。
ただ、火葬終了したときに、骨に付着したものである程度は判断できます。
そこで、「火葬」という作業を考えていただき、棺に「入れていいもの」と「ダメなもの」を解説します。
私ども火葬場の立場から、まずは「棺に入れてはダメなもの」から。
すみませんが、決して上から目線で申し上げていることではありませんので、気を悪くしないでくださいね。
棺に入れてはダメなもの
- カーボン製品
杖、釣り竿、ゴルフクラブ、ラケット、竹刀、義肢装具など
カーボン製品は軽量にできているため、火葬炉の換気扇がそのまま吸い込んでしまう危険性があります。 - ビニール製品
ハンドバック、靴、おもちゃ玩具 - 化学合成繊維製品
判断が難しい衣類(ダウンジャケット)、寝具、敷物 - 発砲スチロール製品
枕などが多いです - CD、ゴルフボール
- 大きな果物
スイカ、メロン - 飲み物
大きな紙パック1.5リットル - 分厚い本
辞書、アルバムで材質がビニールでコーティングしてあるもの - 大きなぬいぐるみ
ぬいぐるみの中にビーズとか入っているもの - 金属製品
最近増えている携帯電話、携帯音楽プレイヤー - ベルトのバックル
バックル金属部分ですね - ガラス製品
酒瓶の小さいもの、鏡、食器類茶碗 - 爆発物
缶飲料ビール、化粧品スプレー、ライター、電池類
このように並べてみますと、棺に入れていけないものは意外と多いですね。
メガネが無いと故人が困るのでは・・・と、よく入れる人が多いです。
ガラスの部分が骨に付着して、部分的に変色した骨になってしまいます。
どうしても心配と思われる人は、収骨の後に骨壺に入れる方法もあります。
もう一つが分厚い辞書は入れないでください。
遺骨が辞書で覆われて炭の状態になって黒くなります。
勉強が大好きだった人に辞書を入れて寂しくないように!と遺族のお気持ちはわかるのですが・・・。
最近、増えているのが携帯電話ですね。
携帯電話は解約するときに、SIMカードがないと解約できなくなりますのでご注意ください。
あと、火葬場からとしては、故人のペースメーカーですね。
火葬をしていると爆発してとても危険なことになります。
これは取り除くことができないので、火葬の前に葬儀社の担当者に知らせておいてください。
それでは、つぎに棺に入れていいものを見ていきましょう。
いままでと真逆の考えでいいですよ。
棺に入れていいもの
葬儀会場で、「最後のお別れにお花でいっぱいにしてください」と葬儀司会者から促されますよね。
いよいよ遺体とのお別れが近くなる場面です。
- お花
- 衣類
- 食べ物・お菓子(紙容器に入れて少量)
- お酒(小さい紙パック)
- タバコ
- 本(文庫本ほどのもの)
- 鶴・蓮の折り紙、お手紙、寄せ書き
一番いいのは、鶴の折り紙と睡蓮の折り紙だけ
後は一切入れないでほしいです。
できるだけきれいに骨が残るように。
デレッキ(ひっかき棒)で傷をつけたくありません。
斎場でよく聞くひそひそ話を聞いてみましょう。
みなさん、真剣にお話しされているんです。
現実とあの世が混乱しているんでしょうね。
だれもあの世に行ったことがないんですからね。
入れ歯がないと天国で食事ができないでしょう?
だから、「入れ歯はいれさせて」。
でもね、天国にいったら人間でないから、悪いところはなくなるって。
天国ってお金は必要?
三途の川の渡し賃として必要だからって・・・。
いくら入れるの?
小銭?それともお札?
それって、日本人だけの考え方でしょ。
よく、古典落語の「真田小僧」出てくる三途の川の渡し賃の話。
葬儀の時は、みなさん常軌を逸してるところが見かけられます。
それだけ、人様がお亡くなりになるのは辛いことです。
火葬場の人間として、焼場のスイッチとともに50分~60分の間が故人がこの世とあの世のブラックホール。
この時間は、ただただ、祈り続けます。
無事に体はあの世とやらに・・・故人は行けたのだろうか。
この時に、毎日のように思うこと。
それは、あの世とやらに案内してくれるのは誰って?
あの世に鶴の折り紙が案内してくれる?
納棺師の方が旅支度をしながら「折り鶴」のお話をしてくれました。
御棺に千羽鶴を入れると、亡くなった方の魂が迷わないように鶴が導いてくれるそうです。
手を合わせに来ていただいた方にも、ご希望であれば 裏の白い部分にメッセージを書いていただき、折り鶴にして納棺することも大変良いことだそうです。
皆さんにも、天に召された大切な方がいらっしゃると思います。
心の折り鶴をそっと飛ばせてあげてください。
皆様の想いが天に届きますように…
引用元: 折り鶴
納棺師の折り鶴の話は、素敵な話ですね。
最愛の人を亡くして辛いときに、鶴の話は心が和みます。
こんな素晴らしい想いが故人に届かないわけありません。
鶴は長寿の象徴でもあり、古来より故人の魂をあの世へ導くものとされています。
鶴(折り鶴)のことについては今まで調べていませんでしたので、気になって調べました。
「古来いより」ってどのくらい?が特に気になりましたので。
折り鶴の歴史
時代的には江戸時代とされています。
意外と古代よりという言葉が新しく感じますね(笑い)。
1682年と言いますから、徳川綱吉が五代将軍のころですね。
井原西鶴の『好色一代男』の中で、「比翼の鳥のかたち」をした「をり居(おりすえ)」を作るという記述があります。
このときの文献に絵や図がなくて、はっきりと折り鶴とは言えません。
はっきりと折り鶴が描かれているのは1700年に出版された『當流七寶 常盤ひいなかた』に着物の模様として折り鶴が描かれています。
棺に入れた折り鶴が残ってた話
2013年に起きた不思議な折り鶴の話です。
火葬の時に棺に入れた鶴の折り紙が、形が崩れずにそのままの形で残っていたといいます。
地元の新聞にも取り上げられて、話題になりました。
名古屋市八事斎場であった話です。
新聞に載るほどの話題ですから、事実の話ですね。
ご遺族の方の投書記事には、「火葬場の職員さんの、技術力の高さ、そして志を感じた」とありました。
私たち火葬場の業界の話として、折り鶴(千羽鶴)などが燃え残っていると言うことは良く聞きます。
なぜか、鶴だけはこのようなことが起きると言われてます。
私はまだ経験したことはありませんが・・・。
こんなこともあるので、私は鶴や蓮の折り紙を棺の中に入れる副葬品としておすすめしています。
「鶴の折り方」や「睡蓮の折り方」を動画で指導されているのがありましたのでご一緒に見ていきましょう。
この折り鶴の動画は、私の鶴の折り方と少し違います。
でも、最後は見事にきれいな鶴のかたちになって流石って思いました。
こちらの睡蓮の折り紙は、手先が器用でないとこううまくはいきませんね。
こちらは上級者向けということで、できなくても大丈夫ですよ。
ちなみに、睡蓮を折り紙として選んだ理由を申しておりませんでしたね。
仏教では蓮をとても大切にしています。
その意味としては、蓮は汚れた水の中からでも、毅然として茎をのばして花を咲かせます。
睡蓮の茎も葉も花もその汚れに染まることはないといいます。
つまり、社会での多くの苦しみや悩み、悲しみに耐えて、清らかな花を咲かせることができるよう、仏教では睡蓮はその象徴なのです。
お寺の境内や道端で蓮の花を見かけたら、蓮の花の意味を思い出してください。
なんだか、お坊さんの説教みたいになってしまいましたね。
折り紙で鶴や睡蓮の花を作るときは、祈りを込めて折れば故人に通じるような気がしませんか。
まとめ
火葬場の係の者としては、棺に入れるものは危険なものや遺骨に傷をつけるものは入れないでくださいというのがまとめです。
そして、故人が無事にあの世に辿りつけますようにと祈りを込めて、棺に入れるものを紹介しました。
道案内をしてくれる鶴の折り紙と眺めのきれいな睡蓮の折り紙です。
棺に入れて故人の不安を少なくしてあげましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません