葬式費用を安くしても故人は許してくれる!火葬式とはどんな葬儀?

2019年6月19日

高齢化社会の中で、変化していく葬儀に対する考え方を基本に据えながら記事にしてみました。

『葬送人ブログだより』の管理人は、弟を肝臓がんで見送りました。
ホスピスの病棟に入って、直ぐの出来事でした。

ホスピスの病棟と葬儀社は、全てを連携プレーで「あっ」という間に終わるように連絡が行き届いてます。
病院側からは死後直ちに、病室の明け渡しが迫られます。

亡くなったのが明け方3時、明け渡しが早朝6時という慌ただしさでした。
病棟から出ていくときは、棟の玄関ではなく故人専用出口からという手際の良さでした。

もちろん、こうなることは解っていた筈なのに。
ホスピスの病棟に入った時点で、前もってすべての準備をすべきところを怠っていました。
どうしても家族の気持ちとしては、もう一度なんとかなるのでは・・・と、甘い考えを持つものです。

急にホスピスに入れられ、1週間で葬儀の準備ですから、慌てて準備しても間に合いません。
すべて、成り行き任せで終わるしかありませんでした。

病室担当の看護師さんから、「葬儀社の一覧から葬儀社を選んでください」と一覧表が渡されます。
吟味する時間などありません。
上から、三番目(意味などはありません)。

後は、葬儀社のすすめる進行どおりにやるしか方法はありません。
葬儀社も心得たもので、選択する余地など与えてはもらえませんでした。

この話は、ブログ管理人が斎場仕事に就く前の話です。

火葬場の仕事にお世話になるようになって、『火葬式』で送れば葬式費用が安くて、小さな家族には「いいなぁ」と思って記事にすることに。
もっと早く、火葬式のやり方で、葬式費用を安くする方法を知っておけば、実弟の葬式費用は約半分の費用で済んだと思います。
でも、弟の葬儀のときは、「無事に終わること」だけを当時は考えていましたので、費用のことなど頭にありませんでした。
そこで、葬式費用が安くて済むように、火葬式のすべてを紹介していきます。
 

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火葬式が多くなった理由

首都圏の葬儀に関する情報を発信するエンディングデータバンクによりますと、2017年に行われた葬儀うち20.6%が火葬式という数字が出ています。

一般的なお葬式は、お通夜があり、翌日に葬儀・告別式(火葬・収骨)を行います。
最低2日間は必要となります。
僧侶による読経、家族・親族、参列者の焼香。
体力的にも高齢者にとっては、過酷な葬儀となってきています。

時代とともに、葬儀に対する価値観や宗教観が変化していることは事実でしょうね。
それに合わせて、葬儀スタイルも従来どおりのやり方では、参加者の負担が大きくなるばかりです。

高齢の故人の葬儀に参加する人は、自然に高齢者になってしまいます。
それに高齢ですので、故人を知る人も少なくなって、葬儀への参加者も少なくなる一方です。

1970年代から80年代に、大々的に葬儀の中心だった社葬は現在1%にも達しません。
日本人の多くは、葬儀のための「葬式仏教」と言われる、信仰心がそう深くはない国民といわれてます。

  • 信仰心がない
  • 葬儀は簡単にしたい
  • 僧侶に渡すお布施が高すぎる
  • 戒名はいらない
  • 葬儀に費用はかけたくない

 

といった理由から、宗教儀礼をできるだけカットして、宗教色の少ない葬儀になりつつあります。

エンディングデータバンクが示す火葬式の数字が20.6%というのは頷けます。
葬儀そのものを行わず、葬式費用を安くして火葬だけで故人を見送る火葬式という葬儀スタイルになりつつあります。

5人に1人が火葬式を選ぶようになってます。
それでは早速、葬式費用が安くて済む火葬式の流れからみていきましょう。

葬式費用が安くて済む火葬式の流れ

火葬式は斎場(火葬場)で、故人が荼毘(火葬)に付されている間に行う葬送の儀です。

火葬時間は1時間30分程度はかかります。
その間に、家族・遺族・友人など故人と関係の深かったひとと、簡単なおもてなし(食事)をする程度です。
もちろん、その中でオプションとして、お坊さんにお経をあげてもらう(別料金)など自由です。
それでは、葬式費用が安くて済む火葬式の流れをみていきましょう。

葬式費用

お亡くなりになった

  • 葬儀社に連絡し、火葬式の旨を伝える(個人)
  • 病院や施設から移動のための手配(葬儀社)
  • 故人と親しかった人、葬儀に参列してほしい方に、逝去の連絡する(個人)
  • 医師から死亡診断書を受け取り、荷物をまとめて、移動の準備(個人)

 

葬儀社との打ち合わせ

  • 葬儀当日まで故人が休む安置場所を自宅か専用の安置施設を決める
  • 自宅に安置する場合は、安置用の布団を用意してもらう
  • 葬儀の日程を決める
    火葬場の空き状況
    家族・親族の都合
  • 打ち合わせ内容とともに、葬儀社と見積りや契約書を確認する

 

葬儀社による納棺

  • 葬儀社の方がすべて行ってくれます。
  • 故人の顔に化粧を施したり、体を清めるための入浴などを納棺士に依頼できます。

 

斎場で火葬式

  • 火葬場の集合時間
  • 火葬炉前で故人と最期のお別れ、僧侶を呼んでも大丈夫。時間は5~10分です。
  • 用意した花や思い出の品を柩に手向けてください。
  • 最後の焼香

 

火葬(荼毘に)

  • 火葬が終わるまで、ロビー待合室や控室でお食事などでおもてなし
  • 火葬場におもてなしができるスペースがない場合は葬儀社と打ち合わせ

 

収骨

  • 故人のお骨を収骨します
  • 火葬場のスタッフから、埋葬許可証を受け取る

終了です。

 

 

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ここまでが、火葬式の流れです。
この一連の流れですが、ご希望に応じて、葬儀社にオプション手配をしてもらえます。
会葬返礼品の手配や読経・戒名依頼とか料理など、事前に打ち合わせてください。

基本的な火葬式には、オプション的なものは含まれていません。
火葬式にご参加いただいた皆様に、ささやかなお弁当料理と会葬返礼品ぐらいがあれば、ありがとうの感謝の気持ちは通じるかと思います。

葬儀社とよく打ち合わせをしてください。

余談ですが、葬儀を華美にすれば故人が浮かばれるなどということはありません。
葬式費用を安くしても故人は許してくれます。
だって、あの世に行ってしまいましたから、現世のお金は通用しませんから(汗)。

ブログ管理人の仕事場では、火葬炉前からは社会的に地位のあった人も、ホームレスで困っていた人も火葬炉の扉に入ったら同じ霊になります。
葬式費用を安くしても許してくれますよ。

日本のバブル当時に、華やか過ぎるほどの豪華な結婚式をした人たちの話です。
海外の新婚旅行から成田空港に戻ったときは既に離婚してた・・・などという華やかさの風刺が話題になりました。

お葬式も同じです。
故人を想って最後のお別れに参加して下さった方に、感謝の気持ちが通じればいいのではないでしょうか。

ここまで、火葬式のお別れ方法もいいですよと言ってきましたが、物事にはメリットとデメリットはつきものです。
具体的にまとめてみました。

火葬式のメリット

  • 葬式費用が従来の葬儀より安い
  • 葬儀の内容がシンプルで時間が短い
  • 1日の2時間で済む
  • 読経など儀式てきなものがない
  • 高齢者でも体力的に負担がかからない
  • 花輪代金などの供養がかからない
  • お布施がいらない
  • 戒名代金がいらない

葬儀の内容を短くして、葬式に費用をかけられないといった方にとって、最適な葬儀といえます。

火葬式のデメリット

  • お別れの時間が短い
  • 葬儀に参加した感がない
  • 火葬炉前の焼香でプライベート時間がない

故人を回想する時間がもっとほしいと言う方には不向きですね。

問題点

一番困る問題をお話しましょう。
それは、あなたの家に菩提寺、つまりお寺さんの檀家になっているときです。
菩提寺と付き合いのある方が火葬式を行った場合、菩提寺にあるお墓に納骨できない可能性があります。

菩提寺の許可なく火葬式を行った場合、菩提寺が納骨を断る場合があります。
代代からのお墓を管理しているという主張があり、これはどうにもなりません。
菩提寺(お寺さん)と付き合いはある方は、必ず檀家としては菩提寺に確認を取りましょう。

斎場火葬人のブログ管理人は、宗教を嫌っているわけではありません。
宗教は紀元前からある一種のビジネスです。
どうあがいても宗教論者には、ブログ管理人ごときには勝ち目などありません(汗)。

まとめ

50年前と同じように、故人の霊を送るのに2日間も費やすのは、近頃ではいろいろな無理があるように思えます。

都会で行う葬儀の平均費用は200万円だとか。
それに、納骨、新盆と費用は加算されていきます。

ブログ管理人が勤める斎場の待合室には、ご遺族で待ち時間に食事ができるスペースが設けられています。
斎場は市町村の運営がほとんどですから、葬儀社と相談して斎場の待合室を利用することをお勧めします。
葬式費用を安くしても故人は許してくれると思います。

 

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火葬

Posted by matuopride