遺骨の処分は火葬場で処理できる!違法ではない正しい手続き

2019年9月4日

こんにちは、「葬送人だより」ブログ管理人のkandumeです。
今日は、火葬場で荼毘に付したあと、遺骨の処分で困り果ててしまっている方へのお話になります。
「できることであれば、遺骨を受け取りたくない人」への情報です。

最近、話題になっている宇宙葬とか川や海、故人が愛した場所への散骨といった話とは少し違った遺骨の処分方法です。
火葬場に勤務するようになってわかったことは、いろいろな人が、いろいろな事情を抱えて生活しているということです。

荼毘に付された遺骨を受け取りたくないなどと聞くと、「人として許せない」と勝手に思ってしまいがちです。
ブログ管理人のkandumeもはじめはそう思いました。

いままで、経験したことがなかったので、いろいろな事情の方がいらっしゃるんだと認識を新たにすることとなりました。
遺骨を火葬場にて受け取り拒否するひとの考え方も、遠い先には全員受け取り拒否が普通になっているかもしれません。

いったい、どういうことなのか説明していきましょう。

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火葬後の遺骨を火葬場が処理してくれる

ご遺体を荼毘に付しますが、基本的には遺族に遺骨を引き取ってもらうようになってます

言葉選びが下手なので、どう説明しましょうか。
遺骨の「焼き切り処分」という棘のある言葉です。

アメリカなどでは、荼毘に付すときは火葬炉の火力が強いので、すべて遺灰になってしまいます。
日本の場合は、火葬炉の火力は1000度前後で火葬していますので、最終的に遺骨は全体的に残ります。
アメリカでは喉仏(アダム・アップル)という言葉はありますが、喉仏の現物を見た人はいないでしょうね。
そのくらい火葬炉の火力に違いがあります。

火葬後の遺骨を受け取らないなんて

火葬後の遺骨を引き取っても、後継者がいないので遺骨は引き取れない。
このように火葬後の遺骨を受け取らない場合は、事前に葬儀社に依頼して、「遺骨を受け取らない」旨を書類にして契約してください。

火葬場で処理して貰えます。
私の知る限りでは、ほとんどの火葬場で、遺骨は引き取ってもらえます。
中にはできないという火葬場もあると思います。
そのために必ず、葬儀社に相談・確認はとってください。
葬儀社であれば、上手に話をしてくれると思います。

名古屋と金沢を直線で結んだ以西では「部分収骨」の慣習になっています。
残った骨に関して意外と関西系の人は、気にしたりしません。

使用する骨壺のサイズも関東地域の1/3ほどの骨壷となっています。
聞いた話によると関西では、30年ほど前は残った遺骨は、斎場の裏山に廃棄というのが当たり前のように行われていました。
もちろん、現在では改善されていると思いますけど。
東日本では、焼却台車から骨上げ用ワゴンに積み替える作業を行います(整骨)。
このとき、粉末になった遺骨と棺や着衣の灰は一緒になります。
これらは、きれいに掃いて集めて処分します。

処分した遺灰は、産廃業者が定期的に受け取りにきます。
受け取り後の遺灰は、地方の大きな遺骨集積場所で弔いをするというシステムです。

いきなりの火葬場での遺骨の受け取り拒否は許されません。
事前に書類で許可を得ておきましょう。

もちろん遺骨処理の代金は、それなりに加算されると思います。
費用の方は、火葬場の係の範疇外ですのであしからず(汗)。

遺骨処分

遺骨引き取り拒否の方々の実情

遺骨の処分で受け取り拒否をされた方々の理由や実情。

  • 遺骨を納骨するお墓がない
  • 将来にわたり遺骨の供養まではしたくない
  • 納骨堂の費用まで出す関係ではない

詳しくお話を伺っていきますと、お一人おひとりの事情や心情は十分に理解できます。
このような深い事情をお聞きするのは、すべて葬儀社の方々です。
火葬人は遺骨の処分で、どうしてそうなったのかはわかりません。
その日の作業指示書に従うだけです。

独り身の方・生活保護受給者・離婚後に音信不通だった父親と、言ったったような行き場のない遺骨です。
決して、身勝手に遺骨の受け取りを拒否しているのではないということです。

少しはホッとできるところがありましたね。

さらに、話を聞いていきますと遺骨だけではなく、墓石の処分の問題まで葬儀社の方にお聞きしました。
墓石の処分の話とはなんでしょうね。

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遺骨の処分と墓石の話

日本にはあらゆるところに、記念碑的に石に名前を刻むという伝統文化があるようですね。
これらすべて、墓石に刻む技術を応用したといっていいでしょう。

生前にすぐれた業績があった人の墓でも、墓石自身が何か活躍してくれるわけではありません。
墓石は何も語りかけてもくれません。
ただ名前が刻まれただけ。
すでに、故人となったひとはもうそこにはいません。
大きな空を泳いでいるといいます。

業績のあった人の生きたあかしを墓石に、名前を刻んで残しておきたいという気持ちはわかります。
また、その人の業績などを記念して碑を建てておきたいというのもわかります。

ところが、生きた証をいつまでも記憶に残そうとするあまり、逆に哀れさを知るときもあります。

遺骨の受け取り拒否という悲しい思いよりも、見捨てられた墓石の悲劇のほうがより大きなショックを与えます。

NHKの番組で話題になった無残な墓石の山。
墓石に罪はなく、人の心の移り変わりだけが虚しく、遺骨の処分の受け取り拒否よりも悲しくなってしまいます。
日本の法律で慣習に習って縛られている『祭祀継承者』というものがあります。
学校でも教えてくれなかった法律があったんです。

祭祀継承者とは

祭祀継承者とは、その土地の習慣によって決められた人。

墓石とか墓地といったものの所有権は、相続人にはありません。
その土地の習慣によって決まるとなってます。

つまり、墓石とか墓地といったものは個人所有できないことになっています。

そして、墓地は後継ぎがあって所有するものです。
子どもがいない場合は、祭ってくれる人材を明らかにしなければなりません。
もし、祭る人が不明なときは、家庭裁判所に委ねられます。

そうです、後継者がいない場合は、次の後継者を探してこなければなりません。
後継者が不明だったら、家庭裁判所で決めることになっています。

風習とか習慣で墓石とか墓地の管理が決められ、代々にわたり管理の請求ができるようになっています。
だれもそこまで管理されているとは知らないでしょうね。

まとめ

「長生き地獄」(松原 惇子作)というものが、特に最近は現実的になってきています。
高齢化とともに、孤独死が今後はもっと増加していくでしょうからね。

遺骨の処分で荼毘に付されたあとの遺骨受け取り拒否は、これからもっと増えると思います。
高齢になり、1人になると周りとの関係が徐々に少なくなっていきます。

受け取り拒否をされないように、生命保険を担保にして自分の遺骨を守るのも一手ですね。
安易な考えですが、アフラックにはないのでしょうか?
『遺骨処分の保険』・・・。


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火葬

Posted by matuopride