火葬後に骨の色がピンクや緑や黒になるのはなぜ?因果関係は?
おはようございます。
『葬送人だより』ブログ管理人のkandumeです。
昨日が友引で斎場は休みでした。
今日も週休2日制の休みを加えて、休んでいます。
毎日のように骨上げをしていると、ご遺族さまから必ずといっていいほど質問があるのが火葬後の骨の色です。
親戚の長老の方が、「この黒いのは病気だろ」とか「この緑の部分は薬が溜まってる部分」。
そして極めつけは「ピンクの部分は癌の薬」などなど、お酒が入っていることもあり、知識のオンパレードです。
葬送人の私としては、発言を控えてただ骨上げに集中してます。
このようにみなさんが疑問に思われている部分を、火葬現場で働くブログ管理人のkandumeが本当の答えを記事にします。
遺骨に色が付く理由は不明
残念ながら、現在、火葬場で働く者の認識として、これだという確信が持てる回答はございません。
化学的にも骨に対する色については、検証されておりません。
日本では科学的な調査はされていません。
ただ、想像ですが、警察などの鑑識などではすでに調べられていて解っていると思います。
葬送人として申し上げたいのは、悲しみに直面しているご遺族に、無下に「解りません」とは言えないのです。
その場で、何らかの回答を出してあげないと、モヤモヤしたままで火葬・骨上げが終わることになります。
そこで、棺桶の中に入れたお花の色素やお着物の色とかが高熱によって付着したのでは?と、ご遺族さまに寄り添っている表現をしております。
これらの回答は、すべてデタラメなのです。
それによって、ご遺族さまもなぜか安心されるようで、納得して貰えるので安堵しています。
火葬場の係としては、なんとも申し訳なく思って回答している次第です。
火葬という非日常的な場所で、冷静な判断力が無くなっているのは間違いまりません。
大切な人を亡くされて、どうしても興奮されているのは事実です。
花の色素が付着するなどと、一見、科学的な表現に見せかけて、現実逃避の口上と言っていいでしょう。
火葬場のような特定の公共施設で、嘘も方便と思ってお許しくださいませ。
骨に色がつく因果関係とは
一般的には公表されていませんので、これだという根拠ははっきりしません。
ですが、火葬場で長く働く経験から、仕事の仲間内ではロストルの影響だと言います。
実際のロストルは写真撮影ができませんので、ご家庭のキッチンで連想してください。
ロストルとは日本流で言えば、「ごとく(五徳)」といった部分です。
鉄で出来ていて、棺桶の下に置いてあるものです。
棺桶を持ちあげて、空気を通すためのものです。
この鉄の成分が高熱によって焼かれることで、焼き物のように骨に色が付きます。
ロストル(鉄の部分)の成分によって、骨に色が付きます。
どの色が、どんな反応を起こしているのかは説明できません。
黒くなった骨というのは、不完全燃焼による炭化が起こっている部分です。
ちなみに、棺桶の中に果物とかスイカとかがあり、熱が伝わらなくて炭化した状態です。
ちなみに、きれいに火葬して欲しいということであれば、何も入れないのがいいですね。
棺桶にいれるものと言う記事を読んでください。
『葬送人だより』の第1号の記事です。
あの世への道案内をしてくれるものとは?
骨に色が付く理由の諸説
ご病気で故人となられた方については、投薬の色説がおおいですね。
ピンク色は、「癌」の薬
緑色は、「癌」の部分
黒色は、「癌」で犯されている部分
生前服用した薬が体内に残っていてその影響で骨に色がでてくるという考え方です。
お医者さんもはっきりと骨の色については明確にされていません。
緑色の骨は銅の成分が沈着したもの。
ピンクは鉄の成分。
このようにもっともらしく言われると、「うん」「・・・」と頷きますよね。
頭部の部分がピンク色なら「梗塞」が原因だとか。
頭部全体が淡いピンク色になるという説。
また、火葬後に頭部が鮮やかな緑色になることあります。
これらも投薬が原因しているのだという説。
一瞬、キャベツを入れたの?と思うくらい緑になっているときも。
故人が書物が好きだった棺桶に辞書などを入れたときは、辞書が緑色になってカリフラワーが拡がっているようになります。
花や洋服の色素が付着
洋服の色素が骨に付着する説。
植物の色素が火葬の熱に耐えられるはずはありません。
火葬炉は1000℃以上です。
温度計が火葬炉の隅にありますから数字的に1000℃と表示されますが、実際の炉が当たる部分は1200℃にはなっているのです。
骨の周りには脂肪と肉がついています。
これらが燃焼した後に、洋服の色素が骨まで届きますか?
その前に色素など熱で無くなります。
これもデタラメ。
病気の部分に色が付く
体の悪い部分の骨が黒くなったり、緑に変色する。
内臓部分が悪い場合は、どこの骨の色が変わるのでしょう。
これもよく考えるとデタラメです。
生前服用していた薬
医者がお薬の影響だとは、一言も言ってません。
体内に残る薬で骨まで変えてしまうなんて、ありえません。
これも、デタラメ。
骨に色がついている結論と致しましては、なぜだかわからない。
と言うのが、現場の意見です。
火葬後に骨の残りが少ない?
火葬炉には2種類の方法が用いられています。
「台車式」と「ロストル式」と言われるものです。
ブログ管理人のkandumeは「台車式」を操作しています。
台車式では台車の上に棺を置いて台車ごと火葬炉に入れます。
火葬終了後は真っ赤になった遺骨が現れます。
そのままの状態で収骨室に運ぶのではなく、ある程度きれいに整えてから移動しています。
火葬中の骨は真っ赤になったままで、ガラスの粉末状態になります。
灰となった骨を吸い込むと咳き込みますので、必ず防塵マスクは着用するようにしています。
ブログ管理人のkandumeも初めて焼上がりのお骨を見た時には、あまりのバラバラさに驚きました。
火力の強さでしょうね。
一番、気を使うのは高齢の方の荼毘です。
火葬後の骨の残りが少なすぎると、ご遺族にお気の毒で困ります。
火葬場の係もできるだけ、遺骨となるよう気を使っていますが、高齢の方の骨は少ないのが現実です。
30代~50代の方のように、骨が丈夫で火力に負けなければ、綺麗に残ることもあります。
骨粗鬆症も珍しくなくなった現代で、綺麗な状態で骨が残ること自体、じつに稀になったと思ってます。
まとめ
火葬後の骨に色が付着するのは、病気なのかお薬の沈着なのか、はたまた、棺桶にいれた洋服やお花の色が付着したのか?
すべてデタラメですので、気をしっかり持ってくださいね。
火葬炉の火力は1000℃を超えています。
火葬場ではじめて、ご遺族の方が遺骨と対面されるときの心情はお辛いと思います。
火葬場の係としましては、大切に丁寧に扱っておりますのでご安心ください。
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