浄土宗の焼香の仕方は「おしいただく」? 知恩院でのできごと
こんばんは。
『葬送人だより』ブログ管理人kandumeでございます。
今日も火葬の件数は、いつもより多かったです。
この暑さで、お亡くなりになる方が増えてますね。
特に高齢者の人が多いです。
故人と知り合いのお仲間の人たちも高齢で、火葬場に来るにも大変な暑さでお気の毒です。
そういった高齢といった方も、葬式や火葬斎場にそう何度も来ている人はいません。
ブログ管理人kandumeは、焼香する人をお世話することを仕事としています。
あなたよりも少しだけ、焼香する場面に多く立ち会っていることはたしかですね。
お焼香のルールや作法といったものを常日頃拝見しながら、次へ進行を進めていくのが火葬場係りの仕事ですから。
一般の方は、焼香を自然と覚えるということはなかなかありません。
葬儀に行って、焼香の時間になって自分の順番が回ってくると、少しドキドキする筈です。
みなさん、お焼香の作法など習ったことが無いのですから。
お焼香のルールや作法といったことを学ぶ機会もなく、社会人になってぶっつけ本番という方が多いのではと思います。
でも大丈夫です、今日は火葬場で働くkandumeがご案内いたしますから。
「法然」が開宗したという浄土宗のお焼香の作法など記事にしてみたいと思います。
浄土宗の焼香の仕方
- 祭壇に進みご遺族に一礼をする
- 遺影に向かって一礼します
- 親指、人差し指、中指で抹香を摘まみます
- 額の高さで押しいただく
回数に決まりはありませんので2~3回でもいいです。 - 押しいただいた抹香は丁寧に香炭に散りばめる
摘まんだ後の抹香壺は平らに均します - 数珠を使って両手を合わせて遺影を拝みます
数珠は両手の親指と人差し指に挟みます
房は手前手首の方へ下げます - 遺影に向かって一礼します
- 一歩下がって一礼します
文字で纏めるますと簡単にできそうですけど、もっと詳しく内容をみていきましょう。
抹香の摘まみ方
普段の生活では抹香というものは、あまりご家庭での扱いは少ないと思います。
そして、抹香の摘まみ方もどのようにすればいいのか、摘まむといってもいろいろありますからね。
2本の指で摘まむと言えば、ちょっと失礼な摘まみ方ですよね。
適切な摘まみ方を伝えるというのは難しいですね。
下の画像の「二葉」をやさしく摘まみ上げるイメージがいいですね。
双葉を斜め上から摘まむイメージで抹香を摘まみます。
3本の指で摘まめる抹香でいいですよ。
たくさん摘まむ必要はありません。
抹香のくべ方
摘まんだ抹香は、香炭の上で塩を静かに撒くようにくべます。
3本の指をこすって抹香を落とします。
このとき、落ち着いて静かに慌てないでやりましょう。
「押しいただく」とはどういった作法?
「押しいただく」という言葉がしっくりと来なかった人に少し掘り下げてみました。
お焼香の作法に出てくる、「おしいただく」という表現に戸惑いましたので、詳しく調べてみましたら・・・。
おしいただく【押し頂く・押頂く】
- 物を目より高くささげて持つ。また、うやうやしい態度で物を受け取る。
「御墨付きの文書を-・く」- 目上の人として敬い仕える。「会長に-・く」
引用元: コトバンク
物を目より高くささげて持つというのがお焼香のときの意味として相応しいですね。
つまんだ抹香を額の高さまでかかげることで、故人やご先祖様に心を捧げるという意味が込められています。
ご遺族に対して、配慮するという考えが、お焼香の作法にもはっきりと取り入れられています。
焼香した時のお香から立ちのぼる、あの清浄なる芳しい香りが故人への感謝へと繋げてくれていると言われます。
抹香の材料は、一般的に樒の葉を乾燥、粉末状にしたものや沈香などで作られるています。
樒の葉は魔よけの効果があるとされていて、創価学会の葬式には常に飾られています。
仏教に関するお焼香などから、一通り勉強すると人への気配りも変わって来るように思えます。
仏教の基盤ともいえる浄土宗の作法などから学びを得るのもいものですよ。
焼香の回数は?
浄土宗では焼香の回数に特に決まりはありません。
お寺さんによっては、独自のやり方や回数がある場合もありますので、そうした場合はそちらに合わせる様にしましょう。
私の経験上、3回の焼香を一番多く見かけます。
恐らくはですが、他の宗派で3回焼香をするという作法が多く、そちらのお葬式や法事などに足を運んだ経験から、自然と3回の焼香をしているのだと私は思っています。
なお、浄土宗の公式サイトでは『真心のこもった1回の方が尊く見える場合もある』と解説されているのですが、ここから考えるに、何回焼香をするかと言うよりも、焼香においての気持ちがより大切だと言えるかもしれませんね。
さらに、お焼香の内面的なところをみていきましょう。
浄土真宗のお坊さんがどのような気持ちで焼香されているのかですよ。
お焼香をする意味
お香を焚くという作法は、お釈迦様の時代(紀元前500年ごろ)から行われ、今に続いているのですから意味は深いものがあるのでしょう。
浄土真宗のお坊さんがお焼香するとき思うこと
仏さまへの敬意をもって、「僧侶の香は粗末ですが差し上げます」という気持ちで行います。
仏様への敬意がとても大事ということです。
それと同時に、僧侶の身を清めるということも行われています。
清浄な仏さまの前に座らせて頂くのに、汗臭いままでは失礼ですから焼香をしてお参りするのです。
つまり、自分自身を清める意味もあります。
そして、良い香りで極楽世界を連想させるという意味もあります。
香煙やよい香りが、極楽世界を思い起こさせます。
香りが隅々まで平等に行き渡ることで、すべての人に差別・区別なく仏の慈悲が伝わっていますよという意味だともされています。
お香のいい香り包まれながら、香が燃え尽き灰になる様子やいずれは命を終えて消えゆく人の姿と同じ無常を学んでいるといわれます。
浄土真宗のお坊さんは、お焼香にも作法も大切ですが、「マインド(気持ち)が大切だ」とおっしゃってますね。
数珠の握り方と手の合わせ方
両方の親指にかけ、房を手前に垂らします。
親指を揃え、お数珠を親指で押さえるようにして持ちます。
宗派によって異なる場合もありますが、基本的には左手にかけて右手を添えるか、合わせた両手に数珠をかけて、上から親指で軽く押さえるスタイルです。
専門家ではありませんので、マナーに違反するといったことはありませんので、基本ができていればよろしいかと思います。
ただ焼香をするだけでも、宗派についてのイメージがあると無いととでは心構えに違いが出て来るもの。
簡単に浄土宗がどんな宗派かという点についてもお伝えしておきますね。
知恩院は浄土宗の総本山
浄土宗総本山「知恩院」
正式名称は「華頂山知恩教院大谷寺」
「知恩」という名称の由来は、弟子達が法然のご恩に報いるために行った「知恩講」に由来すると言われてます。
1212年に法然の死後、弟子たちによって廊を建立現在のような大規模な伽藍が建立されたのは、江戸時代以降になります。
徳川将軍家から庶民まで広く信仰を集めた浄土宗。
今も京都の人々からは親しみを込めて「ちよいんさん」「ちおいんさん」と呼ばれ、観光客が途絶えることはありません。
御影堂(本堂):徳川家光
勢至堂:1530年
大鐘楼:1636年
集会堂:1635年、千畳敷とも呼ばれる広大な堂
住所:京都府京都市東山区 新橋通 大和大路 東入ル 三丁目 林下町(りんかちょう)400
浄土宗とは
このデータは、文化庁の平成26年12月31日の「宗教統計調査結果」によります。
日本最大の宗派は、浄土真宗で、2位も浄土宗、5位も浄土真宗と、浄土仏教が圧倒的な人数です。
- 浄土真宗本願寺派(西本願寺)
792万人 - 浄土宗
602万人 - 高野山真言宗
383万人 - 曹洞宗(禅宗)
354万人 - 真宗大谷派(東本願寺)
320万人 - 天台宗
153万人 - 法相宗
52万人 - 華厳宗
4万人
基本は、浄土宗の人がたくさん占めていることがわかります。
浄土真宗、西本願寺、東本願寺、浄土宗と法然の教えが基本になっているのではと思われます。
浄土宗の基本の教えなどをみていきますね。
浄土宗は、当初は善導宗とも呼ばれ、修行による成仏は否定し、修行の価値を認めないというものでした。
- 念仏を唱えることは行として勧める。
- 唱えることで極楽往生する。
- 念仏を唱えることを重視。
- 成仏と往生は区別して考える。
- 極楽往生の後、極楽浄土で修行し成仏すると考える。
- 教典は浄土三部経のうち観無量寿経に重きを置く。
- 本尊は阿弥陀様。
- 向かって右に観音様、左に勢至菩薩を祀るのが基本(弥陀三尊の形式)。
- 浄土三部経は無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経の三つ。
引用元: 宗教の特徴
いろいろ浄土宗のことを調べてみましたが、一度は浄土宗の綜本山である「知恩院」に行ってみたくなり、「そうだ、京都へ行こう」ということに。
京都の街は仏教を知るには、教科書ですからね。
今回は、知恩院だけに絞りました。
理由は、2つ3つと巡ってしまうと、みんな同じお寺さんに見えてしまいますから。
浄土宗総本山「知恩院」での出来事
知恩院とは、京都府京都市東山区にある、浄土宗の総本山です。
浄土宗の宗祖、法然が開基しました。
開創以来、比叡山など他宗派からの弾劾を受けたと言われる浄土宗「法然」の教え。
法然没後、江戸時代に入り徳川家の庇護を受けてからは堂々たる本山として整備されていました。
高台寺方面からねねの道を通り、円山公園を抜けて、まっすぐ歩いていくと、知恩院へ到着します。
大小106の伽藍(寺院または寺院の主要建物群を意味)から、国宝の日本最大と言われる三門は高さ24メートルにもなります。
巨大さも相まって、見ていて飽きない懐の広さのようなものがありました。
また、大通りからも知恩院へ行くこともできます。
参道は、とても広く、新緑の時期はとてもきれいで、凛とした空気が時を超えて流れています。
さすが浄土宗の総本山らしく、おおらかな知恩院。
また、この日は知恩院発祥の地とされる勢至堂の山亭で、人生初めての写経に参加して、終わった後はお堂に納経。
その後、知恩院の僧侶から講話をいただいた。
なぜだか、こころが鎮まる不思議な知恩院でした。
広い敷地でゆっくりと参拝できました。
歩きやすい靴でお出かけください。
令和を記念して、御朱印も頂きました。
令和の立て看板が知恩院とフィットしていて、平安の時代に紛れ込んだような感覚に触れました。
まとめ
浄土宗、知恩院が総本山。
焼香の仕方が、2~3回抹香を額におしいただいての焼香となります。
そうは言っても、3回というのは決まりではありません。
その時のお寺さんがおっしゃるようにするのがよろしいかとも思います。
いつもお焼香の基本は、堂々と行うことが大事です。
作法は多少間違っても、大丈夫です。
宗派が違ってお焼香の仕方が異なっても、ご遺族に非礼になることはありません。
お亡くなりになった方への感謝の気持ちが伝わればそれでいいのですから。
大事なことは、哀悼の意が伝わればいいのです。
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