火葬時間の一般的な目安!妊婦さんの安全や子連れのマナーも大事
『葬送人だより』ブログを発行している管理人の斎場の出勤・退社の時間は普通です。
朝8:30分から午後5:15分に退社です(1時間休憩)。
もちろん、早出や残業などは一切ございません。
もっと細かく晒しますと、朝は11時から火葬が始まります。
その間は、当日の受け入れ遺体と時間の調整、火葬炉まわりの点検・準備です。
火葬時間をよく斎場内で聞かれます。
「私どもの棺は、どの程度で終了しますか?」
一応、炉前の焼香が終わったあと、終了時間をご報告するのですが、聞き取れなかったのでしょうね。
私が勤めている斎場に、今まで寄せられた質問をベースに火葬時間に関係するものを説明していきます。
特例的なものは省きますので。ごく普通の人を基準に火葬時間と考えてください。
それでは、ちょっと怖いかもしれませんが、深呼吸してから記事に進んでください(笑い)。
火葬で一番時間のかかる体形と年齢は?
ふくよかに太っている人よりも、ガッチリした筋肉質の30代~50代の人が、火葬には時間がかかります。
時間的には1時間以上、20~30分は超えてしまいますね。
ちなみに、身長や体重が当然、関係してきます。
若者と老人では火葬時間は?
老人の方は、体の全体が小さくなっていますから、若者よりも火葬のお時間は短いです。
そうです、若者の方が時間はかかるんです。
例えが少しよくないかもしれませんが、枯れた小枝と生木と比べますと、年老いた枯れ木は直ぐに灰になると考えてください。
不適切な表現と思いますが、火葬場に就職して研修で習うときの表現でした。
ところが、物事には必ずと言っていいほど例外といものが付きまといます。
ご老人でも体格のいい人、そして意外なことは、やはり脂肪が少ないのが火葬を遅くしてしまいます。
1時間で終了予定と踏んでいたものが、1時間20分と大きく予定時間をオーバーしてしまうこともしばしばです。
ご遺族の人が、「もう、骨と皮のように痩せ細っていたので、早く終了でしょ?」と、よく聞かれます。
そんなときは、「それが、そうとも言えないのですよ。」と、濁しながらお返事します。
あまり、詳しく書きたくないのですが、火葬時間が短い人の特徴は、老人でも肥満に近い体型の女性だといえます。
実際の時間で言えば、40分以下で終えることもあって、「えっ」と、炉内の遺骨を何度もチェックすることもあります。
そうそう、自動火葬とは言っても、炉内の火葬はきれいな骨になるように人の手でもって調整作業をしています。
どうしても、火力は頭部から当たりますので、下半身は火の回りが弱いのです。
これ以上は、火葬場の現状を申し上げることは避けましょう。
(怖い話をしているのではありませんから)
火葬の時間を短くする方法
夏場にかけて、火葬の現場で問題になるのは、棺の中に入れるものです。
棺に入れていいもの悪い者は、みなさん葬儀関係の方からお聞きと思います。
ただ、火葬に当たって時間がかかるのが、棺の中に入れられたドライアイスがネックとなります。
どうしても葬儀の段階で遺体の腐敗が起きないように、葬儀関係のひとは気を使いますからね。
そのドライアイスが体の下にとか、お腹まわりに入れられていると、火葬の温度が上がらなくなり時間がかかります。
もちろん、ご遺体からドライアイスを取り除くように操作は行いますけど・・・。
棺に入れていいもの悪いものの記事の中で詳しく記しています。
少し怖くなったようですので、ちょっと今度は刑事ドラマの『相棒』水谷豊役にスイッチを入れ替えてください。
なんで、火葬って24時間以内はダメなの?
「死後24時間以内は火葬をしてはならない!」
と法律で決められているのです。
最近は葬儀関係の場所が込み合っていて、どんなに早くなったとしても24時間以内は難しくなってきています。
最短でも4日は必要と葬儀屋さんは言ってますね。
詳しく法律に関するところを見てみますと、
墓地、埋葬等に関する法律第3条により、「原則として、死体は、死後(もしくは死産後)24時間以内は火葬してはならない」と条文かされてます。
死後24時間以内の火葬はできないということです。
特定の疾病や感染症が原因の場合は別扱いとなってますけど。
そして、火葬場で火葬を行うためには、死亡届を市区町村長に届け出て、許可が必要となります。
この許可証がなければ、墓地、埋葬等に関する法律違反になります。
刑事ドラマの最後に出てくる「死体遺棄・死体損壊罪」で逮捕するということになるのです。
早く火葬してしまえば証拠を隠滅できると思って急いでも無駄なことです。
24時間以内は火葬できないということを認識してください。
なぜ、24時間という括りがあるの?
それは、「蘇生する可能がある」のが24時間という時間制限のようです。
24時間の間に、死んだと思われた人が蘇生することがあるということです。
本当は死んでいないのに斎場で火葬を行い、火葬の最中に蘇生するということも・・・。
火葬炉内はいったん外からドアを締めてしまえば、出られません。
もちろん、中から開けられるように・・・なんていうつくりにはなっていません。
また、いままで、実際にこの場面に遭遇したこともありません。
そして、医師の判断となりますが、死後24時間経過すれば、死斑と呼ばれる紫色の斑点が出ます。
それを確認して医師による、死亡診断書という書類が発行されることになります。
現在は医学も進んでいますので、死亡診断の技術も発達しています。
間違って死亡診断書が出されてということはまずありません。
ただ、法律上そうなっているため、死後24時間以内の火葬を行うことはできません。
刑事ドラマを見るときは、細かくチェックをいれましょうね。
斎場に問い合わせがあって困ったのは、棺桶は必要でしょうか?
という問い合わせでした。
どんなに悪い犯人でも、火葬場には棺桶が必要です。
火葬場では棺桶なしは?
火葬場で火葬するのに、棺桶は必要です。
仏様を粗末に扱うのは、よくありません。
もし、お金の問題でしたら、自治体の福祉事務所などに事前に相談してみてください。
状況次第では、自治体サイドが葬儀費用を負担してくれたりする場合もあります。
できるだけコスト削減をしたいという場合は、市役所などに相談するのもいいですね。
どんなにコスト削減されても最低5~10万円程度は必要かと思います。
火葬する時間は待ちの状態となりますので、大人は理解できてますのでそんなに退屈とまではいいません。
ところが、まだ小さな子どもさんは、火葬場の状況を判断することはできません。
そこで、ちょっとしたことですが、火葬場での子どもさんがいる親御さんの気遣いとマナーを記していきましょう。
赤ちゃんがいる親御さんのマナー
火葬場にどうしても、赤ちゃんや子どもたちを一緒に連れて、故人と最後の別れをさせてあげたいとお考えの親御さんに。
火葬場に子どもを連れていくときに、騒いだりしないようにお話をして聞かせることが大事です。
葬儀とは悲しいことで、みんながたいへん辛い想いをしているので、どういうふうにするのか話しておく必要があります。
きちんと説明すれば、小さな子供でもその場の雰囲気を感じとって、それなりに静かになってくれます。
これも、周りの空気を読み取る訓練として大事なことです。
まだ子供には斎場のことは理解できないからと放っておくと、子供なりに考えるという回線が切れてる人間になっていきます。
また、退屈だからと子供にゲーム機を与えたりしないようにしましょう。
また、乳飲み子の赤ちゃんが突然泣きだしたときは、斎場の席をちょっと外しましょう。
もし最後まで席に戻れなかったとしても、それは非礼には当たりません。
私が勤務する斎場にも子どもさんが来ていますが、流石に場の空気が重いことを感じてしっかりとした態度で関心することの方が多いです。
小さな子どもさんの話が出ましたので、特に注意してほしいのが妊婦さんの安全です。
妊婦さんが火葬場で気をつけること
妊娠さんの場合は、故人の収骨に気を使うのではなく、自分自身の体調を最優先するようにしましょう。
斎場では長い時間同じ姿勢でいることが多いので、気分が悪くなってしまうこともあると思います。
席を外して外の空気を吸いにいっても何ら失礼には当たりません。
そして、妊娠中である家族は、親族に事前に理解してもらって、斎場では協力してもらえるようにしましょう。
火葬場の空気はそれほど澄んでいるわけではありませんから。
妊娠中は何事においても敏感になっているとおもいますので、周りのフォローが大切です。
火葬時間の一般的な目安!妊婦さんの安全や子連れのマナーが大事 まとめ
火葬の時間はだいたいご理解いただいたと思います。
- 火葬の時間を短くするのであれば、
棺の中にいっぱいドライアイスは入れない方がいいです。 - 火葬は24時間以内は火葬できない。法律で決まっている。
- 火葬場での子どものしつけは、ちゃんと説明して連れていく。
- 乳飲み子が泣いたとき、抱いたお母さんが席を外しても失礼にならない。
- 妊婦さんが具合が悪くなって席を外しても失礼にならない。
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