仏壇や位牌の処分法!物よりもあと後の心の問題を解決する話

こんばんわ。
『葬送人だより』ブログ管理人のkandumeでございます。

 

火葬が終わるまで、雑談できる時間があるのが火葬人の仕事。
 
火葬の仕事場に無断で入って来れるのは、葬儀社の担当者だけ。
(普通の人は怖くて立ち入りません)
いつも差し入れを持って火葬中に入って雑談しに来てくれます。
 
この日も、『訳あり仏壇や位牌の処分』について、役に立つ話をしてくれました。
 
「今、火葬している仏さんの喪主さんがね」
 
「お婆あさんが亡くなったので、仏壇が必要なくなったのだとか」
 
「若い喪主さん夫婦は、キリスト教だとか」
 
亡くなったお婆あさんは、代々続いた浄土真宗派で、仏壇や位牌も昔からのものがあって、お婆あさんの納骨が済んだら家を畳むらしい。
 
農家を継ぐ人はだれもいないらしい。 
 
そこで仏壇や位牌の処分を相談されたのだという・・・。
 
「仏壇や位牌の処分」といっても、簡単に使い古しの古着を処分するのとは訳が違っています。
 
葬儀社の担当者が『仏壇や位牌の処分』につて、メンタルな部分をどうクリアすればいいのかといった、仏壇の処分と「心のケア」の問題をそのまま書いてみました。
 

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今まで大切に拝んでいたものを処分するとき

たとえ、亡くなったお婆あさんと宗教が異なるからと、無下に仏壇を廃棄するのは忍びないところがあって当然です。
 
宗教で拝む作法は変えられても、手を合わせる心の拠りどころはそう簡単には変わりません。
 
そんなとき、仏教はよくしたもので、全ての人が幸せになれるように心の問題まで解決してくれているのです。
 
新しく仏壇を購入する時は、『魂入れ』という仏教ならではの儀式を行います。
 
魂入れとは、仏壇やお墓を購入した時に営む法要です。
「開眼法要」とか「お性根入れ」とも言われます。
 
仏壇などを新しく購入したとき、『魂入れ』を行うことで手を合わせる対象にしています。
 
そして今度は、仏壇の役目が終わってお疲れ様ということで、『魂抜き』という儀式を行います。
 
代々のご先祖さまが、崇拝してきた仏壇やお位牌の処分は、なんとも言えない後ろめたさが心に残るのでしょうね。
 

仏壇,位牌,処分『魂抜き』の儀式で、処分する仏壇に対して魂を抜いてやることで救われるような・・・。
 
仏壇や位牌を処分するとき、お坊さんに頼んで『魂抜き』をお願いすれば、少し気持ちが楽になりますよね。
 
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このときは、お坊さんにお布施としてお気持ちを包みます。
そうですね、法要の一種ですから最高30,000円程でしょうね。
 
もちろん、お気持ちですからお車代とお経に掛った時間をおしなべてみてください。
20,000~30,000円といったところでしょうね。
 
ところが、お布施の金額よりも、喪主さんにとってもっと大事なことが解決されていなかったのです。
 
 

お坊さんの有り難さがわかる

普通の生活の中では、「お坊さんの有り難さ」などといったことに遭遇することはあまりありません。
ところが、人の生き死にを境に「お坊さん」という存在が、精神的な部分での支えになっていることに気づかされます。
 
葬儀や火葬という儀式では、お坊さんがディレクターさんです。
特に収骨のときは、お坊さんの説明が「有り難い」とみなさん従順な気持ちになって従います。
 
今回の仏壇やお位牌の処分につて、喪主さんとお坊さんとで話合いをされたそうです。
 
母親や父親は既に亡くなっていて、実家だった家にはお婆あさんだけが先祖を守っていたといいます。
そのお婆あさんもお亡くなりになりました。
お孫さんに当たる喪主さんは、旦那が外国の人でキリスト教、ご自分も入信されたということで・・・。
 
今回のような場合は、実家だったところの家がなくなり、故郷ではなくなっていくことを意味します。
 
故郷に里帰りするにも実家もなくなり、お墓参りもだんだん遠のいてしまいます。
実質的にそれは、無縁仏と同じようになってしまいます。
 
子孫から供養されないというのは、どう考えても理不尽なところが・・・。
喪主さんも宗教や仏壇やお位牌といったことよりも、子孫としての心の問題が解決されないでいたのです。
 
「いつでもお墓に参れるようにしておきますよ」
 
「尋ねる人がなかったら、住職の私を訪ねてくださいな」
 
と、住職のお坊さんが喪主さんと話合いをされて、喪主さんは元気を取り戻した様子だったと葬儀社さんは話してくれました。
大事なのは何か、御仏壇という形のあるものから、「心」という形が見えないものへの感謝は大きかったことでしょう。
 
 
そして、ご住職が・・・
「『魂抜き』が終わって次の段階に進みますが、気分的にはすっきりしたと思います。
ここまで、ご先祖様に対して、誠意を示せば、あなたに悪霊や罰が下ることはありません。
心配しないで大丈夫ですよ。」
 
「それはそれ、これはこれ」といった感覚で割り切って生きてくださいとのこと。
 
 
さて、ここまで親切にしていただいて、何もかもふっきれて現実的に処分しなければならないものへ目を向けていきましょう。
 
そこで、まだ御仏壇としては使えると思って、いくらかの金額に変われば有り難いと考えるのであれば、ヤフーオークションといったネットオークションを一度は目を通してみてください。
 
納得できるプライスがつくかも知れません。
 
 

ネットオークションを調べてみる

最初からダメだしするのは気がひけますが、ネットオークションで大型の仏壇は御希望の価格には程遠いものがあります。
 
オークファンというサイトを覗いてみてください。
すべてのオークションサイトをみることができます。
 
『仏壇』と検索用語を入れてから、仏壇価格をチェックしてみてください。
 
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最近の仏壇は住宅事情も相まって、地方の農家にあるような大型の仏壇は好まれません。
 
どちらかと言えば、マンションのリビングでも仏壇と分かりにくいデザインで、コンパクトなものが人気ですからね。
 
仏間を取れるようなスペースもありませんし、仏間といった主張の強いものから狭いスペースにも馴染むといった感覚が好まれるようですね。
 
このことからも、ネットオークションでの需要は無理なところがあるようですね。
 
そしたら、地元の仏壇屋さんはどうでしょうか?
 
 

仏壇の専門業者に処分を頼んだとき

仏壇の専門業者が必ず街の中には存在しますよね。
 
そういった専門業者に聞いてみるのも一つの方法です。
 
いろいろあまり考えないで、専門業者に電話してみましょう。
 
仏壇の作りに詳しい専門家でないと、運び出すのも大変です。
 

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  • 仏壇専門店であれば、運び出しなど全てやってもらえます
  • 仏壇処分の見積りを依頼することができる
  • 専門店なので、色々な仏事の質問に答えてもらえる
  • 新しい仏壇を購入すれば、古い仏壇は無料で引き取ってもらえる
  • 仏壇処分費用は平均15,000~30,000円くらいです
    特別に施された仏壇であれば解体費用が発生します
  • 処分仏壇といえども大切に取り扱ってもらえる
    処分する仏壇なのですが、目の前で壊されて運ばれるのは辛いものがあります。
    仏壇専門業者は決してそのようなことはしませんからご安心ください。

 
仏壇の専門業者は、仏壇の意味が解っていますので、処分される側の気持ちに寄り添ってくれるのがいいところです。
 
 

廃棄業者に仏壇処理を頼んだ場合

廃棄業者ですからあ、普段の仕事柄、廃棄処理に関して一切の同情はありません。
あくまで、「物」の廃棄処分という扱いです。
 
コンテナ1杯分の料金という計算方法ですので、仏壇以外の廃棄物がもしあれば混入して大丈夫です。
 
いままで、廃棄処分に困って何年も家の片隅に置き去りにしていたものなど処分できます。
 
2tコンテナの廃棄車両を持ち込むと思います。
仏壇だけでは余りがたくさんでますので、何度も言いますが、いらないものを一緒に廃棄しましょう。
2tコンテナ→40,000円~
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??万円という出費は痛いときもあります。
予算的に魅力のある身近な市町村の粗大ごみの取り扱いについて調べました。
 
 

市町村の粗大ごみとして処分する方法

仏壇を処分する方法でいろいろチャレンジして、どうしても納得がいかない!
なんてことがあったら嫌ですよね。
 
そこで、費用面では無料に近い市町村の「粗大ごみ」扱いにするのも一つの方法です。
 

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粗大ごみをごみ処理場に持ち込む方法

私は家の周りの植木の手入れで、剪定した木をそのまま軽トラに摘んでごみ処理場に持ち込みます。
 
ごみ処理場の入口で、軽トラごと計量機に乗って計測します。
「○○番の処理場まで行って下さい」
 
処理場で係の人が4人くらい出てきて、軽トラから粗大ごみを「あっと」いう間に降ろして終了
 
出口で再度、重さの計測があり、「○○kg」ですから「600円」といった感じで支払って終わります。
 
うんと楽です。
 
枝を纏めたりする手間が省けますからね。
 
これと同じように仏壇を軽トラに載せて、ゴミ処理場に持ち込んで処理できます。
仏壇の重さ次第ですね。
何トンもしないと思いますので、1,000円以内でいければいいですね。
ごみ処理係の人は、仏壇ですので無下に扱うことはありません。
いろいろなゴミ処理をお願いした時の経験からですが、ゴミとして持ち込んだもので、係の人がまだ使えると思えるようなものは区別されているようでした。
 
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個別回収

お住まいの市町村で粗大ごみの回収を行っていると思います。
入らなくなった子供の机とか、ベットなど粗大ごみとして回収してくれます。
家庭の前に出して置けば、係の人に持っていって貰える仕組みです。
 

私の住んでいる市では、

    【指定袋に入らない、または入ってもしばれないもので、以下が対象です】

  • 家の廃木材(長さ3メートル、幅1.5メートル、厚さ15センチメートル以内)
  • 個人が排出するもので(事業者を除く)、床面積の合計が80平米未満の解体及び500平米未満の新築、または増築の際に発生するもの。
  • たたみ
  • マットレス・カーペット・ベット・木製家具類
  • 金属製家具・用具類
  • プラスチック遊具・玩具類
  • 家電リサイクル法に該当しない家電類
  • 自転車類
  • 石油ストーブ類
  • 燃料油・電池は除いてください
  • タイヤ(外径76センチメートル以内)
  • 農機具類(長さ2メートル、幅80センチメートル、高さ80センチメートル、重さ50キログラム以内)

 
仏壇もこのルールの中に入ります。
 

  • 事前に電話または窓口にて申し込み
  • 粗大ごみ処理券の購入
    料金:1枚500円
  • 収集日に粗大ごみを排出

 
なんとしても、仏壇の処理に費用を掛けたくないというのはよ~くわかります。
もう、心を鬼にして処分している訳ですから・・・。
 
そうそう、ここまでは仏壇の処分の話でしたが、お位牌の処分方法も葬儀屋さんからいい情報をもらいました。
 
 

御位牌を処分するには

位牌には御先祖様の魂が宿っていると言われ、仏壇処分と同じく、『魂抜き』をしてお焚き上げ処分をするという方法があります。
 
御位牌の場合は、御位牌を永代供養に出すという方法もあります。
 

魂を抜いてお焚きあげ処分する

位牌を処分する方法の一つは、『魂抜き』を済ませた後にお焚き上げの処分をするという手順です。
 
お位牌の形は残りません。
完全に燃やしてしまいます。
 
よく、お正月に初詣に行ったとき、神社の境内の隅の方で「お焚き上げ」が行われています。
見た事ありますよね。
 
昨年の破魔矢などを燃やして処分してくれるところです。
 
御位牌を神社で処分することはできませんので、お間違えのないように(汗)。
 
『魂抜き』をしないで処分すれば、ご先祖様の魂がお位牌に宿ったまま、魂が浄土に行けずに迷ってしまいます。
魂を天(浄土)に返してあげるという意味があります。
 
寺院やお坊さんに依頼します。
神社は無理ですからね(汗)。
 
「位牌の面倒を見られなくなった」ということをお寺さん・お坊さんに伝えて、魂抜きをお願いします。
 
寺院やお坊さんとお付き合いのない人は、葬儀屋さんに相談してください。
すべて葬儀屋さんが「ご供養じまい専門業者」や「お坊さん紹介・手配サービス」まで準備をしてくれますので安心してください。
 
でも、葬儀屋さんへの紹介手数料などは必要です。
お坊さんのお布施半分ほどでいいと思います。
葬儀屋さんは、お坊さんからも手数料は受け取っているはずですから(汗)。
 
ちなみに、御位牌のお焚き上げの料金は、位牌一柱(一霊位)につき5千円~というのが一般的です。
 
 

御位牌を永代供養に出す

お焚きあげなどの廃棄処分をせず、位牌の形を残したまま「永代供養に出す」という方法があります。
 
どうしても位牌の形まで処分してしまうのは・・・。
 
永代供養の費用は、それぞれの寺院や霊園、または安置場所の格、ご供養の形態によってまちまちです。
相場は、位牌一柱(一霊位)につき10万円~となっています。

 


 
 

まとめ

仏壇を処分するときは、『魂抜き』を行ったほうがいいです。
 
ネットオークションで売りたいと考えたときは、オークションサイトを見てみる。
 
仏壇専門業者に処分してもらうときは、丁寧に扱ってくれるので安心。
 
廃棄業者に処分してもらうときは、扱い方で辛い思いをする。
 
市町村の粗大ごみで処分すると費用がかからない。
 
位牌の処分には、「お焚き上げ」で形をとどめない。
 
位牌の永代供養という方法もあります。

 
仏壇、位牌の処分には、目に見えない心の拠り所となっていたものに対する踏ん切り方が難しいものです。
 
火葬場で働くkandumeは、毎日の仕事で死と別れの火葬との間で、悲しみを共有することはできませんが、悲しみに包まれているご遺族に心を寄り添うことができるようになりました。
 
今日も収骨室で、ご遺族と一緒に心を寄り添いながら骨壷に納めて帰宅しております。

 
 


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