「清めの塩の正しい使い方」葬儀後に自宅に帰ってやってみた
こんにちは。
『葬送人だより』ブログ管理人kandumeでございます。
今日は火葬場の仕事で、火葬に来られたご遺族で4人の方が神式の祭壇でした。
神式ということで、祭主さんが立ち会ってくれます。
神式には抹香は焚きません。榊の玉ぐしが奉納されて、柏手も途中で止めて音がでることはありません。
神式の考え方は、人の死に対しては穢れという概念が主流をなしています。
ですから、お清めの塩とかお酒といったものが大事に扱われます。
葬儀社の担当者は、神式の火葬が終わると最後にお清めの塩をご遺族に配ります。
神式のご遺族の方は、このお清めの塩を使ってお家に入られるのでしょうね。
日本の習慣として、仏教でも通夜や葬儀の後に頂くものに「お清めの塩」が入っています。
仏教では神式ほどお清めの塩について、深くは考えていないようですけど。
そこで、私は神道ではありませんが「清めの塩の正しい使い方」というのを葬儀社の人に習って実際にやってみました。
葬儀後の清めの塩の正しい使い方
お清めの塩の使い方で、意味もなくただ葬儀会場でいただいたお清めの塩を体に振りかけていても、実際に効果があるのか心配になりませんか?
いい加減にやっても効果というのが出ませんよ。
(効果と言われると不安になりますけど(汗))
清めの塩の正しい使い方のポイントやお清めの順番について説明していきます。
お清めの塩は誰にやってもらうの?
葬儀が終わって、自分の家の玄関の前で、チャッチャッとお清めの塩を自分で撒いて終わらせていませんか?
その前にポイントがあるんです。
- 葬儀に参列していない人にお清めしてもらう
- 塩を振る前には手を洗う
- お清めは玄関の敷居をまたぐ前に行う
お清めの順番に沿って説明します。
ここでの順番はとても大切なもので、邪気が血の流れに沿って全身に巡っていくと考えられているためです。
お清めを行っていた場所から動くと自然に足元の塩を踏むことになります。
清めの塩を探してまで踏むことはありません。
お清めの塩で邪気や穢れを断ち切って安心ということになります。
神式と仏教では「塩で清める」という違い
「清めの塩」というのは、仏教ではほとんど無意味とされています。
「清めの塩」は、もともと神式の葬儀で用いられました。
神社に参拝に行かれて、神道の人のお墓がありませんよね。
神社の境内に墓を見たと言う人いないと思います。
神道では死を穢れ(不浄)とみなすため、お墓は霊園などに造ることになります。
神道では死者への穢れは恐怖の対象とされて、生きている者に伝染し、災いをなすと考えられています。
そのため、葬儀などで遺体に接した人は「穢れに染まっている」とされ、清めの塩で清められることになりました。
邪気をはらうということで有名なのが、大相撲の立ち合いの時の塩撒きですね。
力士が土俵に塩をまくのも清めの塩ということです。
邪気をはらい土俵を清める意味があります。
一方、仏教ではまったく死を穢れとみなしません。
人間として、必ずだれもが通る途。
仏教では、人が亡くなると仏になり極楽浄土へ行くとされています。
お清めの酒とか塩とか断固として許されません。
特に浄土真宗では「往生即成仏(亡くなった時点で成仏する)」という思想があります。
そのため、火葬場などに仏教の教えなど「風習として根深く残存している迷信や奇習を明確に否定していきたい」として布教の印刷物まで置いてあります。
日本では元々神道と仏教が両方信仰されてきたので神道の「清めの塩」についても尊重されていました。
意味を考えると仏教とは考え方そのもので相いれないのですよね。
特に、仏教の中でも浄土真宗等では仏に対して塩を撒くのは失礼と公言しています。
他の宗派などでも徐々に清めの塩は行わない流れになってきています。
仏式葬儀でもお清め塩を使用するのはなぜ
昔から仏教と神道が混在してきている日本では、よくある風習の名残りで曖昧な文化があっていいところもあります。
神道、仏教、キリスト教、お正月、クリスマス、ハロウィンといったごちゃまぜ文化が日本なのですからね。
あまり、専門職の強い人ばかりが集まってくると、なんだか身動き取れなくなってきますよね。
清めの塩を配られた際に、「神道では清める必要」「仏教では清めは不必要」などと考えずに曖昧いして置くところも日本のいい文化と思ってください。
まとめ
火葬場には、いろいろな宗教の人が火葬に来ます。
神道、仏教、キリスト教などある中で、同じ宗教でもすべてのやり方が異なります。
仏教は数が多いので多少違っても仕方ないのかな?なんて考えていましたが、神道でも同じやり方をする祭主さんはいませんでした。
今回は、葬儀に関わる「清めの塩」に注目してみましたが、宗教の流儀に拘り過ぎないで気持ちが良くなればお清めの塩は撒きましょう(汗)。
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