葬儀(火葬)での心付けはどのくらい?葬儀社には暗黙のルールが
おはようございます。
『葬送人だより』のブログ管理人kandumeです。
昨日は日曜日でしたので、葬送する故人は少なく時間がゆっくり過ぎました。
ブログ管理人のkandumeが勤務する斎場は、土日は時間の流れが遅く、いつもの半分程度となります。
そんな中、昨日は94歳の女性を荼毘(火葬)いたしました。
高齢だったため、遺骨となる骨の部分が少ないのが困ります。
ご遺族の悲しみに加えて、骨まで少ないとなると、お気の毒でなりません。
骨壷に遺骨を入れ終わるころ、ご遺族の方が、「すみません、これ、少ないのですが気持ちです」。
心付けを渡そうとします。
本当はお気持ちですので、素直に受け取りたいのですが、ブログ管理人のkandumeが勤務する斎場は公営です。
心付けを受け取ることは禁止されているのです。
それも、5~6年前からそうなりました。
そうです、以前は心付けを受け取っていました。
葬儀(火葬)での心付けは、現在はどうなっているのか?
都内の民間火葬場やローカルな公営斎場などをみていきましょう。
火葬場の心付けなぜ必要ですか
心付けは古くからの慣習みたいなもので、今でも実際に行われています。
民間斎場では、公然とむしろ当然と言わんばかりに心付けは義務付けられているといいます。
それとは逆に公営の斎場は、心付けは一切ありません。
公務員というくくりで、不公平にならないようにとの配慮だったと思います。
実際は、各市町村は丸投げで民間会社に委託しているのが現実です。
ですから、働いている人は公務員ではありません。
そこで、最近はこれらの状況をよく知っている人は、隠れて心付けを渡そうとしてくれます。
もちろん、市の委託を受けている会社ですから、市のルールでお断りをさせてもらってます。
一方、民間斎場の場合、葬儀の段取りをすすめる葬儀社さんでは、「火葬技師、ドライバー、待合接待係りへの心付けはいくら」と金額を明示します。
サービス業になりますので、お心付けのランクで対応も変わります。
ホテルの宿泊客と同じ感覚ですね。
したがって、上ランクの場合は当然、心付けも加算され上昇します。
民間斎場では、心付けなしと言うわけにはいきませんので、注意しましょう(汗)。
では、要求される心付けではなく、本当の心付けをみていきましょう。
火葬場で本当の心付けとは?
収骨のときに、入れて欲しいと葬儀社の方に先に渡していた入れ歯が火葬前に係に葬儀社から渡されました。
これはよくあることです。
「おばあちゃんがあの世で食べ物が食べれるように」との遺族の思いから頼みごとですね。
「わかりました」と火葬の係は受け取ります。
火葬が終わり、収骨のときに最後に入れ歯をご遺族に確認して貰って骨壷に納めます。
無事に収骨が終わって、ご遺族の方から、
「すくないんですけど、気持ちですから」
と、紙に包まれた心付けが・・・。
「お気持ちはたいへん有り難く受け取ります」
「決まりですので、心付けは受け取れないのです」
「本当に、お気持ちはいただきましたので・・・」
と丁寧に受け取りませんでした。
「入れ歯まで入れてくれと頼んで、お礼がしたかったのでしょう」
本当の気持ちを受け取ってます。
正直に申しますと、このように気持ちを伝えてもらうと火葬の係としては嬉しいことです。
人間としての気持ちが通じ合えてよかったと思う瞬間ですから。
公的施設だからとかで、心付けなんて云々と片付けてしまうのは如何なものかとも思います。
気持ちとして渡したい心付けがなくなってしまったのです。
「無駄なものだ」とか「不必要だ」とかいう人もいますが、本当に無駄でしょうか?
数千円の気持ちが通じ合えば嬉しいと思いませんか?
また、違うご遺族の方は、
「自分たちができない仕事をしてくれるんだから、心付けだけは受け取ってほしい」と拒む人も。
「親族に恥をかかせないでくれ!」
「ここに置いていきますから」
「心付け」という言葉にある「心」が無くなっていくのかもしれませんね。
では、民間の斎場でのお心付けはどのくらいなのでしょうか。
仕事仲間に連絡して、聞いてみました。
心付けはいつ渡す
心付けは火葬場の担当者に気持ちとして渡すものです。
ですから、火葬が終わてから渡しても意味がありません。
火葬前の最後のお別れが終わって、待合室に行く前に火葬場の係の人にそっと渡すのがいいですね。
火葬場の係も時間に追われて、じっくりと火葬するといった環境にありません。
でも、そこに気持ちが通じるものがあれば、丁寧に仏様を・・・
と、いつもより余計に心配りをするかもしれません。
少なくとも、私はそんな気持ちになります。
お金の問題ではなく、ご遺族の気持ちを汲んで「大切に・・・」。
みなさん平等にというのが規則なのですが・・・
火葬場で働く人も同じ人間なのでやはり傾きますね。
(いけないことですが)
心付けはどのくらい?
公営斎場の場合は今は必要ありません。
民営の斎場では、火葬場の係に5000円程度で、火葬炉のメイン(真ん中)の場合は10000円といったところです。
霊柩車のドライバーには3000~5000円
お通夜の食事の女性係り(3000円)まで、心付けをするのが、民間の斎場ですね。
誤解しないでほしいのは、すべての心付けは回収されて、働く人に公平に還元されるのか、民間会社の利益となるのかくわしくはわかりません。
注意して欲しいのは、葬儀社からの催促で心付けを渡したなどとならないようにしましょう。
葬儀社にお心付けの金額を聞けば、一覧表がありますので、その金額を包めばいいと思います。
そうですね、故人の最後のイベントですから、たった1日のために棺桶100万円、祭壇200万円といった見栄のかたまりのような人も多数います。
冷静に考えれば、あそこまでしなくてもいいのでは・・・と思うくらい派手になってるところもあります。
つまり、葬儀にかこつけた昔からの風習で、土葬の時代からの名残が今も残ってるのでしょう。
葬儀社のうまいセールストークに乗せられて、結果的に請求金額に驚くなんてことがないようにしましょう。
『葬送人だより』のブログ管理人kandumeの正直な気持ちを言えば、心付けをお渡しするぐらいのお気持ちがあれば十分です。
ちなみに、都内で都営なのは江戸川区にある瑞江火葬場だけです。
その他の戸田、町屋、四ツ木、落合、桐ヶ谷、代々幡、堀ノ内の火葬場は全部が株式会社です。
お葬式全体の規模を小さくすれば、もっと効率よく葬式が行えます。
最近、特に葬式の様子が変わってきているといわれる葬儀のスタイル(火葬式)です。
心付けが廃止されたわけ
私の市のホームページや斎場の入り口には、次のような案内がされています。
『心付け:心付けは一切お受けしておりません。
また、葬祭業者を介した場合もお受けしておりませんのでご承知おきください。』
5~6年前までは、ブログ管理人kandumeの市営斎場では、心付けはありました。
心付けが廃止になったきっかけは、「お酒」が原因でした。
昔からの風習で、お清めのお酒というのが、火葬炉前にあげられました。
すると、火葬場にはお酒が何本も溜まります。
火葬場の係がどうにか処理したくても、火葬場のお清めの酒ですので、引き取りてがありません。
困ってしまった火葬場係が、行きつけの飲み屋に残ったお清めの酒の話をしてしまいました。
すると、店主が安く引き取るからと・・・
この話がいつの間にか噂となり、問題視されてお清めの酒と心付けは一切廃止することになりました。
小さい小さい話で終わってしまいました(汗)。
心付けという人間の気持ちは、いつまでも日本人として残してほしいですね。
外国のホテルボーイに渡すチップとは違うものです。
日本人が謙虚に感謝の意をこめて差し出すものが「心付け」と言っていいでしょう。
まとめ
心付けはどのくいらい?という記事を書いてきました。
葬儀社さんの心付けという面では、多少問題もあるのかなと思います。
とはいうものの、心付けという昔からある気持ちの「やりとり」だと思います。
金額だけで判断しないで、心(気持ち)が大切ではと・・・。
心付けの金額は、葬儀に関係するものは、各地方の風習が根強く残っていますので一概に金額提示はできませんでした。
人生最後のイベントが葬儀ということで、故人を想う気持ちが葬儀の金額で決まるのではなく、気持ちで決まってくれればいいですね。
お亡くなりになった大半の人は、生前にこう言ってます。
「もしものときは、葬儀など派手にするようなことはしないでね」と言ってます。
葬儀社を悪くいうつもりはまったくありませんが、火葬場で働く者として、火葬場に午前中にくる棺は葬儀社にとっては利益のすくない客といわれています。
その辺りのカラクリはまた違う記事に盛り込みましょう。
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